フリーランスの開業届と税金・確定申告の基本ガイド|ステップ⑤【手続き編】

フリーランス完全ガイドステップ5

「フリーランスとして仕事を始めたいけど、開業届って出さなきゃいけないの?」
「確定申告とか税金のことが難しそうで不安…」

そんなふうに感じている方も多いはず。
自由で柔軟な働き方が魅力のフリーランスですが、「税金まわりは自分で管理する」という点が、会社員との大きな違いでもあります。

でも安心してください。
必要な手続きや知識は、基本さえ押さえておけば、誰でも対応できる内容です。

この【ステップ⑤|手続き編】では、フリーランスが最初に行う「開業届の提出方法」から、「確定申告・税金の仕組み」「帳簿管理」まで、わかりやすく解説します。

※この記事は「フリーランスになるための7つのステップ」シリーズの一部です。
フリーランスの全体像を確認したい方はこちらをご覧ください。
フリーランスになるには?7つのステップで始め方をやさしく解説【完全ガイド】

目次

フリーランスの開業届とは?

フリーランスとして仕事を始める際、原則的には税務署に「開業届」を提出することになっています。
正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類で、提出することで「個人事業主」として活動することができます。

なぜ開業届を出すの?

  • 税務的に“事業を始めました”と宣言するため

  • 青色申告(節税メリット大)の申請が可能になる

  • 屋号をつけて活動できるようになる(銀行口座などで有利)

提出は義務ではありませんが、後々のメリットを考えると出しておくのがおすすめです。

開業届の出し方(手順)

提出はとても簡単。以下のステップで完了します。

① 書類を準備する

「個人事業の開業・廃業等届出書」を用意します。
国税庁のサイトからダウンロードできるほか、税務署でも直接もらえます。

記入内容は、名前・住所・職業・屋号・事業の開始日など。1枚の紙にサクッと書けます。

② 税務署に提出する

提出先は、あなたの住民票のある地域を管轄する税務署です。
郵送・持参・オンライン(e-Tax)での提出が可能です。

提出時の持ち物は以下の通りです。

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)

  • 印鑑(署名があれば不要な場合も)

提出は、事業を開始した日から1ヶ月以内が原則ですが、過ぎても罰則はありません。早めの提出が安心です。

開業時に一緒に出すべき書類:「青色申告承認申請書」

開業届と一緒に提出しておきたいのが、「青色申告承認申請書」です。
これは、所得税の申告時に“青色申告”を選ぶための申請書で、以下のような大きな節税メリットがあります。

  • 最大65万円の特別控除(複式簿記+帳簿提出が条件)

  • 赤字を3年間繰り越せる

  • 家族への給与を経費として計上できる(専従者給与)

提出期限は「開業日から2ヶ月以内」。開業届と一緒に出すのがおすすめです。

フリーランスの税金の種類

フリーランスになると、収入に対して自分で税金を納める必要があります。代表的なのは以下の4つです。

① 所得税

年間の所得(売上−経費)に対して課税されます。
年1回の確定申告で税額を自分で計算・納付します。税率は5〜45%の累進課税です。

② 住民税

前年の所得に応じて課される地方税です。
だいたい所得の約10%が目安で、翌年6月ごろに納付書が届きます。

③ 個人事業税(該当する業種のみ)

対象業種に該当し、年間の所得が290万円を超えると課されます。
税率はだいたい3〜5%。業種によって異なるため確認が必要です。

④ 消費税(年間売上1,000万円以上で発生)

開業当初は免税事業者となり納税義務はありませんが、売上が大きくなると申告・納税が必要になります。

確定申告とは?どんな準備が必要?

確定申告とは、1年間の収入と支出をまとめて、税金を計算・申告する手続きです。
申告期間は毎年2月中旬〜3月中旬で、対象となるのは前年1月〜12月分の収支です。

申告方法には「白色申告」と「青色申告」がありますが、節税メリットの大きい青色申告(最大65万円控除)がおすすめです。

帳簿づけ・経費管理の基本

フリーランスとして活動する以上、帳簿の管理が必須になります。
とはいえ、難しく考える必要はありません。最近は便利な会計ソフトがたくさんあります。

代表的な会計ソフト:

  • freee

  • マネーフォワードクラウド

  • 弥生会計オンライン

これらを使えば、銀行やクレジットカードと連携して記録が自動化され、経理初心者でも安心して使えます。

帳簿で記録する内容は以下の通りです。

  • 売上(収入)の金額・日付・相手先

  • 経費の内容・金額・領収書の保管

  • 通帳やクレジット明細との照合

経費として計上できる例:

  • 通信費(Wi-Fi、スマホ)

  • 交通費、打ち合わせのカフェ代

  • サブスク系ツール(Canva、Adobe、ChatGPTなど)

  • 書籍・講座・勉強会への参加費

  • 光熱費の一部(自宅兼オフィスの場合)

帳簿の正確さが、青色申告控除や税務調査への対応にも関わるため、コツコツ記録する習慣をつけましょう。

よくある質問Q&A

Q:開業届は絶対に出さなきゃいけない?
A:義務ではありませんが、出しておくことで信用性・節税メリット・名義の自由度が得られます。出して損はありません。

Q:副業でも開業届は出した方がいい?
A:副業であっても継続性・収益性がある場合は提出がおすすめです。副業可の会社であれば問題なく両立できます。

Q:税理士にお願いするべき?
A:開業初期は自分で十分対応できます。売上が増えた・経費が複雑化した段階で、税理士のサポートを検討すればOKです。

次はステップ⑥【発信編】へ進もう

手続きやお金の土台が整ったら、いよいよあなたの存在を世の中に発信していくステージへ進みましょう。

次のステップでは、SNS・ブログ・ホームページを活用して、あなたのサービスや強みを「見つけてもらう」ための方法を解説します。

フリーランス完全ガイドステップ6

フリーランスがSNS・ブログ・ホームページで集客する方法

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