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「デザインデータがFigmaで来たけど、どう見ればいいの?」
「Figmaも勉強しないとコーダーの仕事は取れない?」
「デザインを作る機能まで覚える必要があるのか分からない」
結論から書きます。コーダーがFigmaで使う機能は10個ほどです。デザインを作る側の機能は、覚えなくて構いません。
私はWeb制作を14年ほど続けていますが、その間にデザインデータの受け渡しはPhotoshopからFigmaへ完全に移り変わりました。両方を実務で使ってきた立場から、コーダーに必要な部分だけを書きます。
結論:デザインを「読む」機能だけ覚えればいい
Figmaには膨大な機能がありますが、コーダーが日常的に使うのは次の範囲です。
- 要素を選んでサイズ・余白・色・フォントを確認する
- 画像を書き出す
- 距離を測る
- コメントで質問する
これだけです。デザインを作る機能(ペンツール、シェイプの編集、プロトタイプ作成)は不要です。ここを勘違いして入門書を1冊やろうとすると、必要ないことに時間を使うことになります。
PhotoshopからFigmaに変わって、何が良くなったのか
私はPhotoshopでデザインカンプを受け取っていた時代を実際に経験しています。その頃と比べると、コーダー側の負担は明確に減りました。
ソフトを買わなくてよくなった
以前はカンプを開くだけのためにPhotoshopが必要でした。今はブラウザで開けます。これだけでも参入のハードルが大きく下がりました。
「最新版はどれ?」が消えた
ファイルをやり取りしていた頃は、最終_修正2_ol.psd のようなファイルが並び、どれが最新か分からなくなる事故が起きていました。
Figmaは同じURLが常に最新です。古いデータでコーディングしてしまう事故が構造的に起きません。地味ですが、これが最大の変化だと思っています。
数値を目で読まなくてよくなった
以前は定規で測ったり、レイヤーの位置を計算したりしていました。今は要素を選ぶだけで数値が出ます。再現の正確さが上がり、確認作業の時間が減りました。
コーダーが実際に使う機能
| やりたいこと | 操作 |
|---|---|
| 要素のサイズ・色・フォントを見る | 要素をクリック → 右パネルを確認 |
| 要素同士の距離を測る | 要素を選択 →Alt(Option)を押しながら別要素にホバー |
| グループの中の要素を直接選ぶ | Ctrl(Cmd)+クリック |
| 画像を書き出す | 要素選択 → 右パネル下部のエクスポート |
| 色コードをコピーする | 塗りの色をクリック → HEXをコピー |
| レイヤー構造を見る | 左パネルのレイヤー一覧 |
| 疑問点を残す | コメント機能でその場所に直接書く |
最重要は「Altを押しながらホバー」
これを知らないコーダーが本当に多いのですが、作業時間がいちばん変わるのがこの操作です。
要素を1つ選んだ状態で、Alt(Macは Option)を押しながら別の要素にカーソルを合わせると、その2つの距離が数値で表示されます。余白の値を推測で書かなくて済むようになります。
コーダーが覚えておくべきショートカット
数が多いので、実務で本当に使うものだけ挙げます。これだけで十分です。
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 距離を測る | Alt+ホバー | Option+ホバー |
| グループ内の要素を選択 | Ctrl+クリック | Cmd+クリック |
| 拡大・縮小 | Ctrl+スクロール | Cmd+スクロール |
| 全体を表示 | Shift+1 | Shift+1 |
| 選択範囲にズーム | Shift+2 | Shift+2 |
| 手のひらツール | スペース+ドラッグ | スペース+ドラッグ |
この6つを覚えるだけで、操作でつまずくことはほぼなくなります。デザインを作る側のショートカットは覚える必要がありません。
コメント機能の使い方で、印象が変わる
ここは意外と差が出る部分です。デザイナーやディレクターとのやり取りは、コメント機能で完結させるのが効率的です。
チャットで聞かず、その場所に書く
「トップのボタンの余白ですが」とチャットで書くより、該当箇所にコメントを付けるほうが伝わります。相手がどこの話か探す手間がなくなります。
質問はまとめて出す
思いついた順に1つずつ聞くと、相手の作業が何度も中断されます。着手前に一通り確認して、まとめて出すほうが好まれます。
「どうしますか」ではなく提案の形にする
これがいちばん効きます。
- ❌「スマホのときこの部分はどうしますか?」
- ⭕「スマホでは縦積みにしようと思いますが、問題ないでしょうか?」
相手は「はい」と答えるだけで済みます。判断の手間を減らせる人は、確実に次も声がかかります。私が現場で見てきた限り、評価されているのは技術が高い人ではなく、こういうやり取りができる人でした。
デザインデータを受け取ったら、最初にやること
1. フレームの幅を確認する
PCデザインが1440pxで作られているのか、1920pxなのか。ここを確認せずに始めると、全体の比率がずれます。
スマホ用のフレームがあるかも同時に確認してください。無ければ、その時点で質問すべき項目です。
2. 使われている色とフォントを洗い出す
先に一覧にしておくと、CSSの変数として最初に定義できます。後から「この青、微妙に違う」と気づくのがいちばん面倒なので、着手前にまとめてしまうのが早いです。
3. 共通パーツを見つける
ヘッダー、フッター、ボタン、カード。繰り返し使われているものを先に特定すると、実装の順番が決まります。
デザイン側でコンポーネント化されていれば、それがそのまま共通パーツの単位になります。
4. 足りないものを先に質問する
ホバー時の状態、エラー表示、テキストが長くなった場合。これらはデザインに含まれていないことが多いです。
作業を始めてから聞くより、最初にまとめて聞いたほうが手戻りが減ります。コメント機能を使ってその場所に直接書くと、相手も状況が分かって回答が早くなります。
実務でよく起きること
フォントが手元に無い
デザインで使われているフォントが自分の環境に入っていないと、表示が置き換わります。気づかずに進めると、全体の行間や幅がずれます。
Webフォントなのか、画像化する前提なのかは、必ず最初に確認してください。
数値が中途半端
余白が「23px」「17px」のように半端な値になっていることがあります。デザイン上のズレであることも多いので、近い値に丸めていいか確認するのが実務です。
全部を1px単位で再現しようとすると、時間がかかるうえに、かえって不自然になります。
スマホデザインが無い
PCデザインだけ渡されるケースは珍しくありません。この場合、レスポンシブの挙動をこちらで決めることになります。
勝手に決めて後から差し戻されると二度手間なので、「この要素は縦積みにします」と先に伝えておくのが安全です。詳しくはレスポンシブ対応の基礎にまとめています。
画像の書き出しサイズを間違える
高解像度ディスプレイ対応のため、表示サイズの2倍で書き出すのが基本です。100px幅で表示するなら200pxで書き出します。
ここを等倍で書き出すと、スマホで見たときにぼやけます。納品後に指摘される典型例です。
開発モード(Dev Mode)について
FigmaにはCSSの値などを確認しやすくする開発者向けの機能があります。ただしプランや権限によって使える範囲が変わり、条件も変更されることがあります。
実務上の答えはシンプルで、案件ごとにクライアントや制作会社へ確認するのが正解です。「開発モードは使えますか」と聞けば済みます。
そして重要なのは、この機能が無くてもコーディングはできるということです。通常の閲覧権限でも、要素のサイズ・色・フォント・余白は確認できます。使えれば楽になりますが、必須ではありません。
出力されたCSSはそのまま使わない
仮に自動生成されたCSSが見られる場合でも、そのままコピーして使うのは避けてください。位置指定が絶対値になっていたり、レスポンシブを考慮していない記述になっていることがあります。
数値の確認に使い、コードは自分で書く。これが実務での正しい使い方です。
デザインデータが無い案件もある
実務では、そもそもデザインデータが渡されないケースもあります。
既存サイトの改修
「このページと同じ雰囲気で1ページ追加してほしい」という依頼です。この場合は既存サイトのCSSを読んで、色や余白の基準を自分で拾います。
ラフやワイヤーだけ
手書きのラフやパワーポイントのワイヤーだけ渡されることもあります。このときは実質的にデザインもこちらで決めることになるので、見積もりの段階で作業範囲を確認しておく必要があります。
だからデザインが読めると強い
私はフリーランスとして、要件定義からデザイン、実装、公開まで一人で担当する案件を受けてきました。デザインデータが無い状況でも進められるのは、「どう見せるか」を自分で決められるからです。
この対応範囲の広さが、そのまま単価に反映されます。相場についてはコーダーの単価相場にまとめています。
覚えなくていい機能
- ペンツール・シェイプ編集:デザインを作る側の機能です
- プロトタイプ作成:画面遷移の設計はデザイナーの担当
- バリアント:デザインシステムを作る側の機能
- プラグイン開発:不要です
ただしオートレイアウトだけは、仕組みを知っておくと役立ちます。Flexboxと似た考え方なので、「デザイナーがどう並べようとしたか」が読み取れるようになります。
デザインも分かるコーダーは強い
私はコーディングだけでなく、要件定義・設計・デザインまで一貫して担当してきました。その経験から言えるのは、デザインの意図が分かるコーダーは現場で重宝されるということです。
「なぜこの余白なのか」「なぜこの順番なのか」が想像できると、判断に迷う場面で正しい方向に倒せます。逆に、指示どおり再現するだけの人は、仕様の穴があったときに止まってしまいます。
Figmaを触れることは、その入り口になります。単価を上げたいなら、ここは投資する価値がある領域です。
よくある質問
Q. Figmaは無料で使えますか?
基本的な閲覧や書き出しは無料の範囲で可能です。ただしプランによって使える機能が変わるため、案件で必要な権限はクライアントに確認してください。
Q. Photoshopはもう不要ですか?
案件によります。既存サイトの改修では、過去のデータがPhotoshopのままということもあります。優先度はFigmaが上ですが、Photoshopが不要になったわけではありません。
Q. Figmaを覚えるのにどのくらいかかりますか?
コーダーが使う範囲なら数時間です。実際のデザインデータを開いて、サイズを見て、画像を書き出す。この3つを一度やれば感覚がつかめます。
Q. デザインも作れるようになるべきですか?
必須ではありませんが、対応範囲が広がると単価も変わります。判断材料はコーダーとデザイナーの違いにまとめています。
Q. 他に何を覚えれば単価が上がりますか?
JavaScriptとCMS構築です。特にWordPressは案件数が多く効果が大きいので、コーダーにWordPressは必要かを参考にしてください。
まとめ|コーダーのFigmaは数時間で足りる
- 覚えるのは「読む」機能だけ。作る機能は不要
- いちばん効くのはAlt(Option)+ホバーで距離を測る
- 着手前にフレーム幅・色・フォント・共通パーツを確認する
- 開発モードは案件ごとに確認。無くてもコーディングはできる
- 自動生成のCSSはそのまま使わない
Figmaは、覚えるコストに対して効果が大きい部類です。数時間で終わるので、まだ触っていないなら早めに一度開いてみてください。
自分のスキルでいくらの案件があるかは、聞いてみないと分かりません。登録も相談も無料です。
他に必要なスキルはコーダーに必要なスキル、独立の全体像はフリーランスになるための7ステップにまとめています。

