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「コーダーって、実際いくらもらえるの?」
「フリーランスになったら単価はどのくらい?」
「エージェントのサイトには80万とか書いてあるけど、本当?」
コーダーの単価は、調べるほど数字がバラバラで混乱すると思います。それには理由があります。多くの記事が「エンジニア全体の数字」を「コーダーの数字」として載せているからです。
私はWeb制作を本業とするフリーランスとして14年ほど活動し、その間に7社のエージェントに登録して単価の提示を受けてきました。この記事では、公表されている相場データと、実際に提示された数字の両方を正直に書きます。
結論:フリーランスコーダーの現実的なラインは月50〜60万円台
最初に結論を書きます。
HTML/CSSを中心としたコーディング案件で、実務経験が数年ある人が受け取る単価は、月50〜60万円台が現実的なゾーンです。年収に直すと600〜720万円ほどになります。
私自身、複数のエージェントから提示されたレンジも月50万円台でした。同時期に複数社で聞いた結果、この水準は相場から外れていませんでした。
広告でよく見る「月80万」「年収900万」は、別の条件の数字です。次でその話をします。
【重要】「エンジニアの平均単価」を自分の数字だと思わない
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
公表されている高い数字には、必ず条件がついている
たとえば大手エージェントが公表している「平均年収881万円」という数字。公式の注記を読むと、首都圏の案件に参画したWeb・アプリケーションエンジニアが、週5日稼働した場合の実績値です。
ここでいうエンジニアには、サーバーサイドやインフラを担当する人が含まれます。HTML/CSSを中心とするコーダーの相場とは、そもそも母集団が違います。
フリーランスエンジニア全体の相場は月70〜80万円台
2026年時点で、フリーランスエンジニア全体の月額単価は70〜80万円台が中心とされています。
一方、案件検索サイトに掲載されているHTMLコーダーの案件を見ると、月50〜60万円台が中心です。この20万円前後の差が、そのまま「職種の違い」を表しています。
だから比較すべきは「同じ職種の数字」だけ
単価を調べるときは、その数字がどの職種・どの稼働条件のものかを必ず確認してください。ここを混同すると、「自分は相場より安く買い叩かれている」と誤解して、無理な転職や単価交渉に走ることになります。
立場別・コーダーの収入相場【2026年8月時点】
| 立場 | 収入の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 正社員コーダー | 年収 370万円台(平均) | 求人レンジは300〜600万円と幅が広い |
| 正社員マークアップエンジニア | 年収 385万円(平均) | SEO・構造設計まで担うぶん微増 |
| フリーランスコーダー | 月 50〜60万円台 | 週5常駐が前提。年収換算600〜720万円 |
| (参考)フリーランスエンジニア全体 | 月 70〜80万円台 | 開発・インフラを含む数字 |
| (参考)上位層の実績 | 月 100万円超 | 設計・上流まで担当できる場合 |
※ 各社公表値および案件検索サイトの掲載単価をもとにした目安です。地域・稼働日数・スキルで変動します。
私が実際に経験した数字
正社員時代は年収300万円だった
正直に書きます。会社員としてコーディングをしていた時期、私の年収は300万円ほどでした。上の表にある「正社員コーダーの平均370万円台」より低い水準です。
作業内容に不満があったわけではありません。ただ、残業も休日出勤もあるのに年収が上がらない状態が続いていました。
フリーランスになって年収が倍になった
その後フリーランスとして企業に常駐するようになり、年収は600万円ほどまで上がりました。おおよそ倍です。
ここで大事なのは、やっている作業はほとんど変わっていないということです。むしろ残業がなくなり、休日もきちんと休めるようになりました。変わったのは働き方の枠組みだけです。
この経緯はコーダーは年収が低い?年収を上げた方法に詳しく書いています。
エージェントから提示されたのは月50万円台
複数のエージェントに登録して面談を受けた際、提示されたレンジは月50万円台でした。
これは、HTML/CSSに加えてJavaScript、PHP、WordPressやShopifyでの構築まで対応できる前提での数字です。マークアップのみだと、ここから下がります。
そして重要なのは、この額が妥当だと判断できたのは複数社で聞いたからだということです。1社だけなら、高いのか安いのか分からないままでした。
単価を決める5つの要素
1. 対応できる技術の範囲
最も影響が大きい要素です。HTML/CSSのみか、JavaScriptまで書けるか、CMS構築までできるか。ここで案件の層そのものが変わります。
2. 稼働日数
週5と週3では単純に単価が変わります。ただし週3の場合、単価は5分の3にはなりません。企業側の管理コストは変わらないため、日割りで見ると不利になりがちです。
3. 商流(何次請けか)
クライアントとの間に入る会社が多いほど、手取りは減ります。同じ業務でも商流が浅いほど単価は上がるので、面談時に確認する価値があります。
4. 常駐かリモートか
一般に、常駐案件のほうが単価は高く出ます。フルリモート案件は競争率が高いぶん、条件が下がる傾向があります。
5. 上流に関われるか
実装だけの人より、何を作るか決められる人のほうが単価は上です。要件定義や設計に関わった経験があると、提示される額が変わります。
単価帯ごとに求められるスキルの目安
| 単価帯 | 求められる範囲 |
|---|---|
| 〜40万円 | HTML/CSSでの静的コーディング、指示どおりの実装 |
| 50〜60万円 | +JavaScript実装、レスポンシブ、WordPress構築 |
| 70〜80万円 | +モダンな構成(React等)、パフォーマンス改善 |
| 90万円〜 | +設計・要件定義、チームのリード |
自分がどこにいるかを把握すると、次に何を身につければ次の帯に行けるかが見えてきます。何を学ぶべきかはコーダーに必要なスキルで整理しています。
案件の取り方で単価はここまで変わる
同じスキルでも、どこから仕事を取るかで手取りは大きく変わります。
| 取り方 | 単価 | 安定性 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| エージェント | 月50〜60万円台 | 高い | 実務1年以上 |
| クラウドソーシング | 案件単位・低め | 低い | 実績づくりの時期 |
| 制作会社の下請け | 中程度 | 中 | 継続取引ができてから |
| 直請け | 最も高い | 不安定 | 人脈ができてから |
直請けが最も単価は高くなりますが、営業・見積・請求・トラブル対応まで全部自分です。制作に使える時間が減るので、単純に得とは言い切れません。
私自身、フリーランスとして受けている制作案件は直接受注ですが、収入の柱としてはエージェント経由の常駐も併用しています。片方に寄せないほうが安定します。比較はエージェントと直営業どちらが稼げるかにまとめています。
単位をそろえないと相場は比較できない
コーダーの単価は、案件の形態によって提示される単位がバラバラです。月額・時給・ページ単価が混ざったまま比較すると、判断を誤ります。
3つの単位の換算目安
月140〜160時間の稼働を前提にすると、おおよそこう対応します。
| 月額 | 時給に直すと | 主な出どころ |
|---|---|---|
| 10万円 | 約700円 | 条件の悪いクラウドソーシング案件 |
| 30万円 | 約2,000円 | 制作会社の下請け・週5 |
| 50万円台 | 約3,400円 | エージェント経由の常駐・準委任 |
| 70万円台 | 約4,700円 | 設計や要件定義まで含む案件 |
私が最初に受けていた案件は、月140時間動いて10万円でした。時給に直すまで「安い」と気づいていませんでした。まず自分の今の単価を時給に換算してみてください。
ページ単価で受ける場合の注意点
LP1本いくら、下層ページ1枚いくら、という形式もあります。この場合に見落とされやすいのが次の3つです。
- 修正回数の上限が決まっているか
- レスポンシブ対応が単価に含まれるか
- 素材の書き出しやリサイズが作業範囲に入るか
ページ単価は一見よく見えても、修正無制限だと時給換算で一気に下がります。「1ページいくら」ではなく「1ページに何時間かかるか」で見るのが安全です。
準委任と請負では意味が違う
エージェント経由の常駐案件は多くが準委任で、時間を提供する契約です。一方、制作会社からの受託は請負で、成果物を納める契約になります。
請負は納品まで責任を負うぶん、想定外の修正が発生すると実質単価が下がります。同じ金額でもリスクの重さが違うので、単純比較はできません。
地域による差はどのくらいあるか
常駐案件は首都圏に集中している
単価の高い常駐案件は、東京・大阪・名古屋・福岡に集中しています。地方在住だと、そもそも選択肢の数が違います。
ただしリモートで差は縮まってきた
フルリモート案件が増えたことで、地方在住でも首都圏の案件に参画できるようになりました。リモート比率を公表しているサービスを選べば、地域のハンデはかなり埋められます。
全国に拠点を持つエージェントを使う手もあります。地方在住で相談先が欲しいなら、拠点数の多い会社を選ぶと動きやすくなります。
意外と見落とされる「手取り」の話
単価の話をするとき、額面だけで比べる人が多いのですが、フリーランスは手取りが大きく変わります。
会社員のときは会社が負担していたものがある
健康保険料・年金の半分は、会社員時代は会社が払っていました。フリーランスになると国民健康保険と国民年金を全額自分で負担します。
さらに、所得税・住民税・場合によっては消費税と個人事業税もかかります。額面が倍になっても、手取りが倍になるわけではありません。
一方で経費が使える
逆に、PC・モニター・書籍・通信費・家賃の一部などを経費にできます。ここは会社員時代にはなかった部分です。
具体的な計算は状況によって大きく変わるため、開業のタイミングで一度きちんと確認しておくことをおすすめします。手続きの流れはフリーランス開業届ガイドにまとめています。
マージンが見えるかどうかも効いてくる
エージェント経由の場合、クライアントの支払額から手数料が引かれます。この率を公開している会社は多くありません。今回調べた9社ではPE-BANKのみが10〜15%と明示していました。
手取りを重視するなら、PE-BANKのように手数料を開示している会社を比較対象に入れておくと判断しやすくなります。
相場と自分の数字が離れている場合、原因は単価だけとは限りません。フリーランスは稼げない?年収が上がらない人の特徴で、空いている月まで含めた計算の仕方を扱っています。
単価を上げる方法は別記事にまとめました
相場が分かったら、次は「自分の単価をどう動かすか」です。順番を間違えると半年やっても変わらないので、効く順に整理しました。
- 複数社に登録して市場価格を数字で知る(最も速い)
- 面談で希望額を先に言わない
- 対応範囲を1つだけ広げる
- 商流の浅い案件を選ぶ
- 更新の1か月前に相談する
それぞれの具体的なやり方、そのまま使える言い方、打ち手ごとに効果が出るまでの時間はコーダーの単価の上げ方|順番を間違えなければ上がる7ステップで解説しています。
よくある質問
Q. 未経験からフリーランスコーダーになると単価はいくら?
エージェント経由の案件は実務1年以上が目安になるため、未経験でいきなり月50万円というのは現実的ではありません。まずはクラウドソーシングや制作会社の下請けで実績を作る段階になります。1年目の案件獲得法を参考にしてください。
Q. 週3稼働だと単価はどのくらいですか?
週5の5分の3にはなりません。案件数も減るため、単価より「条件で絞り込めるサービスを選ぶ」ほうが重要になります。
Q. リモート案件は単価が下がりますか?
傾向としては下がります。応募が集まりやすいためです。ただしリモートで通勤時間がなくなる分を含めて考えると、実質的な条件は悪くない場合もあります。
Q. 副業のコーダーだといくらくらい?
案件単位での受注になるため月額ではなく件数次第です。LP1本、コーポレートサイト1本といった単位で見積もることになります。
Q. 年収を上げるには転職とフリーランス、どちらが早い?
私の場合はフリーランスになったことで年収が倍になりました。ただしこれは収入が不安定になるリスクとセットです。安定を優先するなら正社員のまま単価の高い会社に移るほうが安全な場合もあります。
Q. AIで単価は下がりませんか?
単純なコーディングのみの案件は下がっていきます。一方でAIの出力を検証・修正できる人の価値は上がっています。詳しくはコーダーの仕事は無くなるのかで書いています。
まとめ|自分の数字を知るところから
- フリーランスコーダーの現実的なラインは月50〜60万円台
- 広告で見る高い数字はエンジニア全体・週5・首都圏などの条件付き
- 正社員コーダーの平均は年収370万円台
- 私は正社員時代300万円、フリーランスになって600万円に
- 単価は交渉より複数社の提示を並べることで上がる
今の自分がいくらの評価なのかは、聞いてみないと分かりません。登録も相談も無料なので、まずは数字を確認するところから始めてください。それが分かるだけで、次に何を学ぶべきかも見えてきます。
独立の全体像はフリーランスになるための7ステップ、適性についてはコーダーに向いている人・向いていない人の特徴にまとめています。

