フリーランスのポートフォリオの作り方と見せ方のポイント|ステップ④【実績づくり編】

フリーランス完全ガイドステップ4

「フリーランスになりたいけど、実績がなくて不安…」
「ポートフォリオって、どうやって作ればいいの?」

これは、フリーランスを目指す方が必ずぶつかる壁です。特に、独立したばかりや未経験のジャンルで活動を始める場合、「見せられる実績がない」と感じてしまうのは当然のこと。

でも、安心してください。
実績ゼロからでも、信頼を得られるポートフォリオの作り方はあります。

このステップ④では、ポートフォリオを通じてあなたの強みを“見える化”し、クライアントから「この人にお願いしたい」と思ってもらうための具体的な方法を紹介します。

※この記事は「フリーランスになるための7つのステップ」シリーズの一部です。
まずは全体の流れを把握したい方はこちらをご覧ください。
フリーランスになるには?7つのステップで始め方をやさしく解説【完全ガイド】

目次

なぜポートフォリオが必要なのか?

フリーランスにとって、ポートフォリオは“営業資料”であり“信頼の証”でもあります。
クライアントは、あなたの人柄やスキルを初対面で判断するための材料が必要です。
そのために最も重要なのが、「何ができるか」を明確に伝えるポートフォリオなのです。

ただし、実績が少ない段階でも大丈夫。大切なのは「見せ方」や「構成」です。
クオリティがすべてではなく、あなたがどんな仕事を得意とし、どんな価値を提供できるのかを伝えることこそが目的なのです。

実績がない場合のポートフォリオの作り方

まだ案件を受けたことがない、という方でも以下のような工夫で“見せられるもの”を用意できます。

① 模擬制作・自主制作を掲載する

実案件でなくても、練習や趣味で作った作品を載せてOKです。

例:

  • Webデザイン → 架空の店舗サイトを作る

  • ライティング → 想定読者向けの記事を書く

  • 動画編集 → 自分の趣味チャンネルの編集事例

  • SNS運用 → 自分のアカウントの成長過程

“これは練習用です”と明記すれば、むしろ誠実な印象になります。
クライアントは「仕事を任せられる力量があるか」を見ています。

② 自分の得意分野をテーマにする

たとえばライターであれば、過去の経験に基づいた記事(例:営業経験 → ビジネスノウハウ系記事)を制作すれば、自分の専門性を活かせます。
経験がそのまま“テーマ”になるため、実績がなくても説得力のある内容になります。

③ SNSやブログもポートフォリオになる

情報発信をしている方は、それ自体が「自分を表すコンテンツ」になります。
フォロワー数やエンゲージメントが少なくても問題ありません。

  • 「誰に向けて何を発信しているか」

  • 「どんな反応があったか」

といったエピソードが伝われば、信頼につながります。

ポートフォリオに入れるべき基本構成

以下の要素を押さえておけば、シンプルでもしっかり伝わるポートフォリオが作れます。

① 自己紹介・プロフィール

  • 名前(屋号でもOK)

  • 経歴や実績(業務経験、関連スキル)

  • 得意分野や価値観

  • 活動エリア(全国・オンライン対応 など)

ポイントは、「人柄」と「信頼感」を伝えること。顔写真やアイコンがあるとより親近感が生まれます。

② 提供サービス・できること

  • 提供できるサービス一覧

  • 対応できる業務範囲

  • 料金や納期の目安(できれば)

ステップ③で設計したサービス内容を簡潔に伝えましょう。具体的な言葉で説明すると印象が良くなります。

例:
× ライティングができます
◎ SEOを意識したオウンドメディア向け記事を執筆できます

③ 実績・制作事例(あれば)

  • 制作物のキャプチャやリンク

  • 案件概要・目的・工夫した点などを簡潔に解説

  • 担当範囲(例:構成・執筆・編集 など)

実案件でなくても、自主制作の内容を「企画意図+成果物」として見せれば十分です。

④ お問い合わせ・連絡方法

  • メールアドレス

  • お問い合わせフォームのURL

  • SNSのDMなど

「お問い合わせはこちら」などの導線をしっかり設けて、次のアクションにつなげましょう。

ポートフォリオの見せ方・届け方

せっかく作ったポートフォリオも、「誰にも見てもらえない」と意味がありません。
以下のような方法で積極的に見せていきましょう。

① ポートフォリオ用のWebページを作る

無料で作れるポートフォリオサイトやブログ、Notion、STUDIOなどを活用して、見やすく整理しましょう。

  • Web系 → STUDIO、WordPress、Note、GitHubなど

  • 書類系 → PDFにまとめてメールで送る

  • 手軽に → CanvaやNotionでテンプレート作成

「見た目が整っていること」よりも、「伝えたい情報がまとまっているか」が大切です。

② SNSや名刺と連携する

X(旧Twitter)やInstagramのプロフィール欄、名刺・営業資料などにポートフォリオのリンクを入れれば、自然な形でアピールができます。
「固定ツイートにポートフォリオ」「自己紹介にサービス概要」なども有効です。

③ クライアントへの提案資料として使う

提案の場面では、相手に合わせてポートフォリオをカスタマイズして送ると好印象です。
たとえば、「御社の業界に近い事例をピックアップ」したバージョンを作るなど、ひと手間が差別化につながります。

実績ゼロでも信頼を得る3つのポイント

  1. 見せ方を工夫する
     「制作の意図」「工夫したこと」などを丁寧に添えると信頼感が増します。

  2. 継続的に更新する
     最新の情報を追加・整理し続けることで、成長をアピールできます。

  3. “人柄”が伝わる内容にする
     文章やプロフィールで「一緒に仕事したい」と思わせることが重要です。

クライアントは「この人と仕事がうまくできそうか?」を見ています。スキルだけでなく、誠実さやコミュニケーション力もポートフォリオで伝えられます。

次はステップ⑤【手続き編】へ進もう

ポートフォリオが整ったら、いよいよフリーランスとしての開業手続き税金の準備に進みましょう。

開業届の出し方、青色申告のメリット、帳簿の管理方法など、はじめに知っておきたいことをわかりやすくまとめていきます。

フリーランス完全ガイドステップ5

フリーランスの開業届と税金・確定申告の基本ガイド

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