コーダーが実績なしで案件を取るには|1本目の作り方と見せ方

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

「実績がないから応募できない」。学習を終えた人が最初にぶつかるのが、この壁です。実績がないと案件が取れず、案件が取れないと実績ができない。堂々巡りに見えます。

私はWeb制作に14年関わり、数十社の現場を見てきました。フリーランスエージェントには7社登録し、制作会社への直接営業も並行してきました。その経験から言えるのは、この循環は思っているより簡単に抜けられるということです。

目次

結論:実績がないのではなく、見せられる形になっていない

相談を受けると、たいていこのどちらかです。

  • 本当に何も作ったことがない → 1本作れば解決する
  • 作ったものはあるが、見せられる形になっていない → 整理すれば解決する

後者が非常に多いです。学習中に作ったものがあるのに、URLで見せられない、何をやったか説明できない。この状態を「実績なし」と自己申告してしまっているだけのケースです。

相手が「実績」で見ている3つのこと

発注側は作品の芸術性を見ているわけではありません。見ているのはこの3点です。

  1. 指示どおりに作れるか(デザインの再現度)
  2. 崩れないか(スマホ表示、文字数が増えたとき)
  3. どこまで自分でやったか

言い換えると、「任せて事故が起きないか」を確認しているだけです。これが分かると、用意すべきものが変わります。

だから模写だけでは弱い

模写で示せるのは1番と2番までです。デザインを自分で決めていないため、3番の判断力が見えません。模写の使い方はコーダーの模写のやり方にまとめました。

実績ゼロから最短で作る「1本目」

架空でいい。ただし条件がある

実案件でなくて構いません。ただし「誰に向けた、何のためのサイトか」を自分で設定することが条件です。

例えばこうです。

  • 地域の小さなカフェの新規開店サイト(目的:来店予約と場所の告知)
  • 個人の学習塾のサイト(目的:問い合わせ数を増やす)
  • アクセサリーブランドの商品ページ(目的:商品の魅力を伝える)

私自身、WordPressで学習塾や寺院のサイト、ShopifyでアクセサリーやカフェのECを作ってきましたが、実務の案件も結局は「誰に何を伝えるか」から始まります。架空でも、そこを自分で決めていれば思考の順番は同じです。

1ページでいい

5ページの中途半端なものより、1ページを最後まで作り切ったもののほうが評価されます。崩れない、スマホで見られる、リンクが全部生きている。この状態まで持っていってください。

公開して、URLで見せられる状態にする

ローカルに置いたままでは実績になりません。URLを1つ持っているかどうかで、話の進み方が変わります。

実績の「説明」を用意する

作ったものを渡すだけでは伝わりません。次の4点を短く添えてください。

  • 制作期間
  • 担当範囲(デザインもやったのか、実装だけか)
  • 使用技術(HTML/CSS、JavaScript、WordPressなど)
  • 設定した目的(誰に何を伝えるサイトか)

特に2番目が重要です。デザインまで自分でやったのか、支給されたデザインを組んだのかで、評価される能力が変わります。

守秘義務で見せられない案件が出てきたら

実務が増えると、公開できない案件が増えます。その場合は「業種・規模・担当範囲・使った技術」を文章で書く形で構いません。URLがなくても、何をやってきたかは伝えられます。

実績が薄い段階で使える5つの入り口

1. 知人・前職のつながり

いちばん信頼のハードルが低い入り口です。相手はすでにあなたの仕事ぶりを知っています。

ただし金額は最初に決めてください。知り合いだからと安く受けると、そこが自分の基準になってしまいます。

2. クラウドソーシング

実績を作る目的なら有効です。ただし単価の分布そのものが低いので、ここを主戦場にしないでください。

使い方としては、スキルを出品して置いておく形が効率的です。自分から探さなくても声がかかるので、他の作業と並行できます。

3. 制作会社への直接営業

コツは求人を出している会社に絞ることです。求人があるということは人手が足りていないのが確実だからです。

私はこの方法で、月に数件(1件あたり数万円)の案件を受注できるようになりました。文面は1つ作って使い回します。送る数を確保するほうが、文面を磨くより効きます。

4. エージェント

「実績がないと門前払いされるのでは」と思われがちですが、私は7社に登録して断られた経験がありません。聞かれたのは経歴・得意分野・週何日働けるかの3点だけで、技術テストもありませんでした。

ただし正直に書くと、紹介される案件は実務経験を前提とするものが中心です。実務1年程度が目安になります。

5. 発信

時間はかかりますが、続けると「探しに行く」から「見つけてもらう」に変わります。今月の案件が必要な人が最初にやることではありません。

実績1年をどう作るか

ここが分岐点です。実務経験が1年あると、選択肢が一気に増えます。

会社員として作るのがいちばん早い

正直に書きます。実務未経験のうちは、会社に入って作るほうが安全です。現場のレギュレーションや進め方は、独学では身につきません。私も派遣・正社員を経てからフリーランスになりました。

私が入った30名規模の現場では、最優先されていたのは技術の高さではなく、レギュレーションを守ることと事故を出さないことでした。これは1人で練習していても分かりません。

並行して小さい案件を受ける

副業が認められているなら、クラウドソーシングや直接営業で小さい案件を受けてください。納品したことがあるという事実が、次の案件の材料になります。

1年経ったら、必ず市場価格を確認する

実務経験が1年あるなら、学習を続ける前に外の数字を知ってください。

私は7社のエージェント面談で、提示されたのはどこも月50万円台でした。それまで受けていた条件と比べると、まったく違う水準です。

私は時給に直すと714円にしかならない条件で働いていた時期があります。月140時間動いて10万円です。当時それが安いと気づいていませんでした。外の数字を知らなかっただけです。

面談で「この経歴だと、あと何ができると案件の幅が広がりますか」と聞けば、担当者は具体的に答えてくれます。独学の方向を、案件側の視点で決められるのは大きな利点です。

今すぐ案件を変える気がなくても構いません。Midworksのような会社は登録も相談も無料です。9社の比較はフリーランスコーダーにおすすめのエージェントにまとめました。

1本目に作るサイトの中身の決め方

「架空でいい」と言われても、何を作るか決まらない人が多いので手順を書きます。

1. 実在する業種を選ぶ

完全な架空より、実際にある業種を選んでください。カフェ、美容室、学習塾、士業事務所。情報の型があるので構成を考えやすくなります。

2. 目的を1つに絞る

「予約を増やす」「問い合わせを増やす」「場所を知ってもらう」。1つに絞ると、載せる情報と並び順が自動的に決まります。これが判断力の証明になります。

3. 必要な情報を書き出す

目的が決まったら、そのために必要な情報だけを並べます。載せないと決めた情報があることが、考えた証拠になります。

4. 参考にするサイトを2〜3本見る

同じ業種のサイトを見て、共通して載っている情報を確認します。業種ごとの型を知っておくと、実案件でも初動が速くなります。

5. 作り切って公開する

途中でデザインを直したくなっても、まず最後まで通してください。完成したものが1本あることが、何より効きます。

提出前のチェックリスト

実績として見せる前に、必ず通してください。ここで引っかかると評価が下がります。

  1. スマホで見て崩れていないか
  2. 幅を連続的に変えて、崩れる位置がないか
  3. 文字数を増やしても崩れないか
  4. リンクがすべて生きているか
  5. 画像が表示されているか(パスのミス)
  6. タイトルやメタ情報が初期値のままになっていないか
  7. ダミーテキストが残っていないか

6番と7番は本当によくあります。「ダミーテキストが残ったまま提出」は、それだけで確認不足と判断されます。

実績づくりでやってはいけないこと

1. 安く受けて実績にしようとする

いちばん多い失敗です。一度下げた単価は戻りません。次の交渉でも「前回はこの金額でしたよね」と参照されます。

実績が欲しいなら、金額を下げるのではなく作業範囲を狭くしてください。「今回は実装のみで」という形なら、単価の基準を壊さずに済みます。

2. 模写したサイトを実績として出す

他人のデザインをそのまま公開するのは、著作権の観点で問題になり得ます。学習用にとどめてください。

3. できることを過大に言う

参画後に必ず露見します。できないことは正直に言ったほうが、結果的に信用されます。「触ったことはありますが、案件で使ったことはありません」で構いません。

4. 完璧なポートフォリオを目指して着手が遅れる

1本目に何か月もかける人がいますが、完成させて次に進むほうが早いです。作り込みより、作り切ることを優先してください。

「実績なし」から抜けた人がやっていた共通点

私が見てきた範囲で、抜けるのが早かった人には共通点がありました。

1. 完成を優先していた

作り込みより、まず1本を最後まで通す。途中で止まった大作より、完成した小品のほうが評価されます。

2. 動きながら学んでいた

学習を終えてから動くのではなく、応募や相談をしながら足りない部分を埋めていました。「準備が終わってから」と言う人ほど、いつまでも動きません。

3. 断られた理由を聞いていた

これが最も差がつきます。エージェント経由なら、担当者に「今回はどこが合わなかったですか」と聞けます。独学では絶対に手に入らない情報です。

4. 自分で線を引いていなかった

私自身、登録前は「実務経験が足りないから断られる」と思い込んでいました。実際に7社に登録した結果、門前払いはゼロでした。自分で引いていた線のほうが、現実より厳しかったということです。

よくある質問

Q. ポートフォリオは何本必要ですか

数より中身です。1本でも、構成から自分で考えて作ったものがあれば話は進みます。模写を並べても判断材料になりません。

Q. 実績なしでエージェントに登録できますか

登録自体はできます。ただし紹介される案件は実務経験を前提とするものが中心です。まず小さくても納品経験を1つ作ってください。

Q. 無料で作らせてもらうのはアリですか

おすすめしません。無料で受けると、相手の期待値だけが上がります。知人案件でも、少額でいいので金額を設定してください。

Q. 独学とスクール、どちらが実績を作りやすいですか

実績という意味では大差ありません。どちらでも、作ったものを見せられる形にできるかが分かれ目です。独学でかかる期間はコーダーの独学期間にまとめました。

Q. 未経験だと年齢は不利ですか

年齢そのものより、前職の経験を持ち込めるかで変わります。詳しくは30代・40代未経験からコーダーになるにはに書きました。

Q. 副業で受けた案件も実績になりますか

なります。納品して報酬が発生した時点で、それは実務です。金額の大小は関係ありません。公開できない場合は、業種と担当範囲を文章で書いてください。

Q. 実績が2〜3本たまったら次は何をすべきですか

市場価格の確認です。作品を増やし続けるより、今の経歴がいくらで評価されるかを聞くほうが判断材料になります。単価の考え方はコーダーの単価の上げ方にまとめました。

まとめ

  1. 多くの場合、実績がないのではなく見せられる形になっていない
  2. 相手が見ているのは再現度・崩れないか・担当範囲の3点
  3. 1本目は架空でいいが、目的は自分で設定する
  4. 入り口は5つ。実績が薄い段階では知人・クラウドソーシング・直接営業が現実的
  5. 安く受けて実績にしない。金額ではなく範囲を狭める

実績ゼロの状態でいちばんもったいないのは、準備を続けたまま動かないことです。1本作って公開するだけで、状況は変わります。

案件の取り方の全体像はコーダーの案件の取り方、単価の考え方はコーダーの単価相場にまとめています。

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