常駐が決まったあと、最初の1か月にやること|見られているのは技術ではない

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

案件が決まったところまでは、記事も情報もたくさんあります。ですが入ったあと、最初の1か月をどう過ごすかを書いたものは、あまり見かけません。

私はWeb制作に14年関わり、派遣・正社員・フリーランスのすべてを経験しました。数十社の現場を見てきて、立ち上がりでつまずく人と、すぐ馴染む人の違いははっきりしていると感じています。

この記事は、常駐や長期の参画が決まった直後の人に向けて書きます。

目次

結論:最初の1か月で見られているのは、技術ではない

先に結論を書きます。参画直後に評価されるのは、コードの質ではありません。

私が30名規模の現場に入ったとき、最優先されていたのは技術の高さではありませんでした。レギュレーションを守ることと、事故を出さないことです。

これは、その現場が特別だったわけではありません。受け入れる側から見れば、最初の1か月は「この人に任せて大丈夫か」を確認する期間だからです。技術力は面談と経歴で一応の判断がついています。あとは実際に事故を起こさないかどうかを見ています。

だから、うまくやろうとしないほうがいい

初月に「実力を見せよう」として自己流の書き方を持ち込むと、たいてい逆効果になります。その現場の決まりに合わないコードは、質が高くても直してもらう手間が発生するからです。

最初の1か月の目標は、目立つことではなく、手のかからない人だと思われることに置いてください。

初日から1週目にやること

1. レギュレーションを最初に確認する

渡されていなくても、こちらから聞いてください。確認するのはこの5つです。

  1. 命名規則(クラス名・ファイル名の付け方)
  2. ディレクトリ構成(どこに何を置くか)
  3. 使ってよい書き方の範囲(対応ブラウザ、使用可能な記法)
  4. Gitの運用(ブランチの切り方、コミットメッセージの形式)
  5. 確認と提出の流れ(誰に、どの段階で見せるか)

特に5つ目が抜けがちです。誰の確認を経れば「終わった」ことになるのかを最初に押さえると、手戻りが激減します。

2. 既存のコードを1つ、まるごと読む

ドキュメントより速いのがこれです。すでに動いているページを1本、上から下まで読む。命名の癖も、構成の考え方も、書いてある決まりより正確に分かります。

私は新しい現場に入るとき、必ずこれをやります。1〜2時間で、その現場の「普通」が分かります。

3. 連絡手段と反応の速さを合わせる

チャットなのかメールなのか、どのくらいで返すのが普通なのか。周りの反応速度を観察して、それに合わせてください。

速すぎても遅すぎても浮きます。合わせるのが目的なので、ここは考えるより真似るのが正解です。

質問の仕方で、印象がほぼ決まる

聞かないことが、いちばんの事故につながる

参画直後にいちばんやってはいけないのが、分からないまま自己判断で進めることです。私が見てきた立ち上がりの失敗は、ほぼ全部これでした。

遠慮して聞かなかった結果、まるごと作り直しになる。聞く手間より、直す手間のほうが何倍も大きいのですが、入ったばかりだと逆に見えてしまいます。

質問は「調べたこと」とセットにする

ただ聞くのではなく、この形にすると相手の負担が下がります。

「この部分ですが、既存の◯◯と同じ書き方でよいでしょうか。念のため△△も見たのですが、判断がつかなかったので確認させてください。」

調べた形跡と、判断に迷った理由が入っていれば、丸投げには見えません。むしろ「確認してくる人」として信頼されます。

まとめて聞く時間を作る

都度話しかけると相手の作業が止まります。急ぎでないものは溜めて、1日1回まとめて聞く形にすると、双方の効率が上がります。

報告は、聞かれる前に出す

「終わったか」を確認させないこと

これが評価に直結します。進捗を聞かれる前に出す人は、それだけで管理コストが低いと判断されます。

難しいことをする必要はありません。1日の終わりに数行で足ります。

  • 今日終わったもの
  • いま進めているもの
  • 詰まっているもの(あれば)
  • 明日やる予定

遅れそうなときこそ、早く言う

私も、早めに言えばよかったと思う場面が何度もありました。ためらっている間に時間が過ぎると、あとから言い出しにくくなります。

遅れの報告は早いほど軽く済みます。期限当日に言われるのがいちばん困るというのは、発注する側にいた経験からも断言できます。私はもともとメーカーのWeb担当として、発注する側から入りました。

2週目から4週目:任される範囲を広げる

最初の1本を、確実に事故なく終わらせる

速さより確実さです。1本目を問題なく終えると、2本目からの渡され方が変わります。ここで一度崩れると、細かく確認される期間が長引きます。

気づいたことを1つだけ言ってみる

3週目あたりで、改善の提案を1つだけ出してみてください。「ここはこうしたほうが崩れにくいと思うのですが、意図があれば合わせます」という形です。

大事なのは「意図があれば合わせます」を付けることです。これがあると、否定ではなく確認として受け取られます。

4週目に、期待とのズレを確認する

1か月経ったところで、担当者に直接聞いてください。

「1か月やってみて、進め方で直したほうがよい点はありますか。」

この一言で、言われていない不満を早い段階で拾えます。更新の直前に初めて知るより、はるかに手が打てます。

1か月のチェックリスト

週ごとにやることを並べると、こうなります。手元で確認しながら進めてください。

1週目:合わせる

  • 命名規則・ディレクトリ構成を確認した
  • 誰の確認を経れば完了かを把握した
  • 既存コードを1本、通しで読んだ
  • 連絡手段と返信の速さを周りに合わせた
  • 環境構築を終えた

2週目:1本を確実に終える

  • 最初の1本を、事故なく提出した
  • 指摘された箇所をメモに残した
  • 同じ質問を二度していない
  • 日報を毎日出している

3週目:範囲を少し広げる

  • 指摘の傾向をつかんで、先回りできている
  • 改善の提案を1つ出した
  • 自分の稼働時間を週単位で数えている

4週目:ズレを確認する

  • 担当者に「直したほうがよい点」を聞いた
  • 任される作業の量と難易度を把握した
  • 稼働時間が契約の範囲に収まる見込みを確認した

この20項目のうち、1週目の5つがいちばん重要です。ここを飛ばすと、あとの3週間が全部やり直しになります。

立ち上がりが速い人に共通する3つ

1. 分からないことを、分からないまま置かない

能力ではなく習慣の差です。確認のコストを、あとの手戻りより安いと理解しているかどうか。

2. 現場のやり方を否定しない

合理的でない決まりにも、たいてい経緯があります。まず従って、理由を聞いてから判断する人は摩擦を起こしません。

3. 自分の状態を先に開示する

「ここまで終わりました」「ここで詰まっています」を自分から出す人は、管理する側から見ていちばん楽です。これは技術と無関係に効きます。

常駐特有の、見落としやすいつまずき

通勤時間が想定より重い

私は常駐に変えたことで残業と休日出勤が無くなりましたが、通勤時間は増えました。在宅の感覚のまま予定を組むと、初月で消耗します。

移動を含めた1日の設計は、フリーランスの一日のスケジュールにまとめました。

稼働時間の下限・上限を意識していない

準委任の契約では、月の稼働時間に上下限が設定されていることがあります。下回れば控除、上回れば追加です。

初月は慣れないぶん時間がかかりがちなので、週単位で自分の稼働を数えておいてください。月末に気づいても調整できません。契約側の確認点は業務委託契約書で確認すべき7項目に書きました。

社員との距離感を測りかねる

入りすぎても、離れすぎても働きにくくなります。仕事の話は積極的に、それ以外は相手に合わせるくらいがちょうどいいというのが実感です。

初月にやってはいけない4つ

1. 前の現場のやり方を持ち込む

「前はこうでした」は、初月に言うと角が立ちます。まず合わせて、必要なら3週目以降に提案の順番にしてください。

2. 分からないまま進める

繰り返しになりますが、これが最大の事故要因です。

3. 実力を見せようとして範囲を超える

頼まれていない改修に手を出すと、確認の手間が増えます。良かれと思ってやったことが、レビューを増やすという結果になりがちです。

4. 無理な稼働で立ち上げる

私は会社員時代に残業と休日出勤を重ねて、体を壊しかけました。初月に無理をして作った「速い人」という印象は、そのあとずっと維持を求められます。続けられるペースで始めてください。

この点はフリーランスでも健康に働くための習慣にまとめています。

初月が、更新のほぼ全部を決める

更新は3か月目に判断されない

契約更新の判断は、更新月ではなくもっと早い段階で固まっています。初月で「手がかからない」と思われた人は、その後よほどのことがない限り継続されます。

逆に初月で細かく確認が必要だと判断されると、そのまま印象が続きます。取り返すより、最初に作るほうがはるかに簡単です。

更新されない兆候は、態度ではなく量に出る

任される作業の量や難易度が下がってきたら、早めに担当者へ相談してください。次を探し始めるのは、切れてからでは遅いです。

年間の空白月がそのまま収入減になる仕組みは年収が上がらない人の特徴に、切れたときの動き方は仕事がないときの3つの解決法に書きました。

そもそも、入る前に条件を確認しておく

立ち上がりで苦労する人の一定数は、入る前の確認が足りていないだけです。

参画前に、次の4つは必ず確認してください。

  1. 担当範囲(実装だけか、公開作業や運用も含むか)
  2. 稼働時間の上下限と精算の条件
  3. 出社の頻度(週何日か、リモート併用は可能か)
  4. 誰の指示で動くか(窓口が一本化されているか)

エージェント経由なら、この確認は担当者が代わりにやってくれます。私は7社に登録しましたが、面談で希望を最初に伝えるようにしてから、条件の合わない案件を紹介される時間が丸ごと省けました。

提示されたのはどこも月50万円台です。入ってから条件が違うと分かるのが、いちばん立ち上がりを壊します。

Midworksは正社員並みの保障を用意している会社で、常駐案件を扱う会社としては条件を確認しやすい部類です。9社の比較はフリーランスコーダーにおすすめのエージェントに、面談の流れはエージェント登録から案件紹介までの流れにまとめました。

よくある質問

Q. 初日は何を持っていけばいいですか

指定がなければ筆記用具と身分証で足ります。環境構築に時間がかかることが多いので、初日はほとんど作業が進まない前提でいてください。

Q. 技術力が足りているか不安です

面談を通っている時点で、求められる水準は満たしていると判断されています。初月に必要なのは技術ではなく、確認と報告です。

Q. 現場のコードが古い書き方でした

まず合わせてください。古いのには理由があることが多いです。対応ブラウザや、他のページとの整合が理由なら、勝手に新しくすると事故になります。

Q. 質問が多すぎると思われませんか

初月は多くて当然です。ただし同じことを二度聞かないようにメモを取ってください。回数より、繰り返すかどうかを見られています。

Q. 想像していた仕事と違いました

早めに担当者へ伝えてください。我慢して続けるほど、言い出しにくくなります。エージェント経由なら、間に入って調整してもらえます。

Q. 常駐とリモート、どちらを選ぶべきですか

初めての現場なら、最初の数週間だけでも出社できるほうが立ち上がりは速いというのが実感です。聞ける相手が近くにいるかどうかで、初月の進み方が変わります。

まとめ

  1. 初月に見られているのは技術ではなく事故を起こさないか
  2. 初日にレギュレーションと確認の流れを押さえる
  3. 質問は調べたこととセットにして、まとめて聞く
  4. 報告は聞かれる前に。遅れは早いほど軽い
  5. 更新の判断は初月でほぼ固まる。取り返すより最初に作る

私が数十社の現場を見てきて、立ち上がりで差が付いていたのは能力ではありませんでした。確認を飛ばさないこと。それだけです。

案件そのものの取り方はコーダーの案件の取り方、単価の目安はコーダーの単価相場にまとめています。

Q. 初月から単価交渉をしてもいいですか

やめたほうがいいです。単価が動くのは更新のタイミングで、しかも担当範囲が広がった実績があってこそです。順番はコーダーの単価の上げ方にまとめました。

Q. 週3や週4での参画でも同じですか

基本は同じですが、稼働日が少ないぶん、報告の重要度が上がります。いない日に判断が止まらないよう、状況を残してから帰る習慣をつけてください。週3での働き方は週3案件で働くという選択に書いています。

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